取締役の義務と責任
旧商法時代(平成17年以前)に設立された中小企業の中には、
新会社法施行後も定款の見直しが行われず、
昔の規定のまま運用されている、
あるいは、株主総会や取締役会といった
必要な手続きを取らないまま、
現在に至っているケースも多くあります。
その結果、事業拡大や事業承継の際に、
必要な書類が整っておらず、
少数株主から思わぬ主張
(株式の買取や会計帳簿の閲覧請求)がなされ、
会社経営に支障をきたすケースが少なくありません。
取締役の義務と責任は決して軽くはなく、
それについて十分な認識がないまま、
責任を追及されるのは避けたいものです。
会社法違反以外にも、
残業代未払い請求や租税回避の指摘を
受けるケースが増えてきており、
労働法や税法についても注意が必要なことも
増えてきています。
以下の項目について問題がないか確認してみてください。
□平成18年以降、定款を見直しているか?
□自社の株主を把握しているか?(株主名簿があるか?)
□株主に決算報告をしているか?
□株主総会議事録・取締役会議事録等の議事録は適切に作成し
保管してあるか?
□過去、法的紛争(残業代請求、取引先との紛争、株主との紛争等)に
発展した事件はあるか?
□従業員が常時10人以上である場合に、就業規則を策定しているか?
□就業規則の内容を従業員が知る事ができる状況にしてあるか?
□36協定(時間外・休日労働に関する協定書)を
労働基準監督署に届出しているか?
□税務書に提出している申告書・届出書の控えは適切に保存しているか?
□役員への貸付金に関して、その理由が明確にしてある株主総会議事録
または取締役会議事録を作成してあるか?
□役員報酬は、株主総会の決議に基づいて適切な時期に支給されているか?